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茅葺き職人の明石さん パート1

今日は私の書いた小冊子の中から一つのエピソードをご紹介しますが、
少々長いため、三回に分けて載せます。

平成元年の秋、皇居内で大嘗祭が行われ、
全国から50人もの職人を集めて式典会場が三棟建てられました。
そのうち主基殿の茅葺き屋根を葺いた人が、明石さんといいます。

私と明石さんとの出会いは6年前、
山口県の大島に海賊本陣という、うどん屋さんを作った時のことです。

直径30センチのログ丸太を組んだ上に草葺きの屋根を計画しました。
しかし計画をしたものの、草葺きの職人がどこにいるのか見当もつきませんでした。
困っていたところに、友人が青年会議所で岡山に行ったとき、清水寺が草葺きだったと教えてくれました。
私が青年会議所に在籍していたこともあり、さっそく岡山青年会議所に電話をしてみました。
そこで、明石さんを紹介してもらったのです。

さっそく岡山に、うちの大工さんと会いに行き、
13年前に明石さんが手掛けた四国村の建物を見学に行くことになりました。

近年では、建築様式の変化や法律の規制などで草葺きの屋根は年々作られなくなってきました。
そのため、明石さんたちは文化庁の仕事がほとんどで、
13年のあいだ民間の仕事をしたことがないということでした。
当時、明石さんが82歳で私が42歳と年齢差はありましたが、
お互いが職人気質だったためか気が合って引き受けてもらうことになりました。

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