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耐震構造の問題点 『熊本地震を見て』その①

熊本に震度7の地震が連続して2度起きました。私の知る限りでは初めてのことです。

その為、建物の倒壊には凄まじいものがありました

当初はなぜこんなに倒壊したのだろうと不思議には思いましたが、深く考えるに至りません

でした。

なぜなら、構造計算では地震のエネルギーに対して、計画した建物が耐えるだけの耐力を保

有するように、構造体を計画し部材の大きさを決めるため、地震を何度受けても耐力上は大

丈夫なんだと思っていたからです。

しかし、構造計算基準は建築基準法の理念を元に基準が定められていると、後で気付きました

その建築基準法の理念とは、耐震性能に関しては震度7程度の地震に対して人が避難するに

必要な時間、建物の倒壊を免れると言ったように、最低限の基準が示されています。

という事は、震度7の地震を一度受けただけでも、建物は大変なダメージを負ったことになり

ます。

従って、使用不能になる建物が出てもおかしくありませんし、しかも2度にわたってうけるとい

う事は、倒壊する建物が続出しても不思議ではないという事です。

また、比較的小規模な建物である木造2階建ての住宅については、建築確認申請に添付する

設計図書に特例処置があり、建物配置図と平面図のみが審査対象になります。

従って、構造計算や構造図面は設計者(建築士)にゆだねられることになります。

そうなれば提出義務のない構造は、ノーチェックになりかねません。事実、構造上耐力のない

建物が多く存在すると、構造の専門家から指摘されているところです。

構造についての耐震性能は耐震等級1~3までありますが、ノーチェックの建物については1に

も満たないものがかなりの割合で存在しているという事です。

その②に続く

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