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茅葺き職人の明石さん パート3

前回の続きのエピソードをご紹介します。

屋根工事に入って最初にトラブルが発生し、
明石さんが「これでは出来ません。」と言ってこられました。
理由を聞いてみると、日ごろよりもスパン(梁の間隔)が大きいので
構造がもたないと言うのです。
これには弱りましたが、私も構造を勉強していたので代案を出すと、
「その方法なら組めます。」ということになり、
それからは何のトラブルもなく、工事は順調に進みました。

草を葺きあげて、最後にハサミで刈っていきます。
軒先のデザインや、むくり高による屋根のラインは私の要望通りとなりました。
また、縄のくくり目や草の隅々まで、ていねいな仕事となって美しく完成しました。
草葺きは茶室にもよく使われます。

明石さんとは年の差はあるものの、友達のように仲良くなり、
その後、大阪に茶室の指導にも一緒に行きました。
この本を書くにあたり、久しぶりに電話を差し上げましたが、
「今も元気に現場に出ているよ。遊びに来ませんか。」と、大きな声が返ってきました。

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