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耐久性の高い外壁について考えてみる②

耐久性の高い外壁について考えてみる②

『前回の耐久性の高い外壁について考えてみる』の続きです。

前回、現在多くの住宅で使用されている窯業系サイディングについて色々書いてみましたが、今回は本題の耐久性の高い外壁材について考えてみたいと思います。

耐久性の高い外壁材と言われてどんな物が思いつくでしょうか?

一般的な材料でガルバリウム、漆喰やそとん壁などの塗り壁、タイル、そして意外かもしれませんが無垢の木板も耐久性が高い材料です。

価格的にはガルバリウム≒木板(樹種による)≦塗り壁≦タイルと言うイメージですかね。

ガルバリウム鋼板はもともと耐久性が高い材料ですがSGLと呼ばれる次世代ガルバリウム鋼板はさらに耐久性の高い製品となっております。欠点としては海が目の前にある立地などでは塩害が心配な所や大きな傷がついた場合、錆が発生して穴が開いたり、他の金属からのもらい錆が発生する場合がある事でしょうか。

 

次に漆喰やそとん壁などの塗り壁ですが、こちらも高い耐久性があります。特徴としては通常のモルタル壁のように、塗装を掛けているわけではないので、塗装傷みによる劣化がありません。ただし、弾性の塗料を吹いたときよりもクラックなどの割れは目立つと思います。塗壁の場合、地震や乾燥による収縮などでどうしてもクラック(割れ)が出てくる事があります。クラックを補修する事も可能ですが、絶対にクラックが出るのは許せない!と言う人には塗壁はおすすめ出来ません。また漆喰などでも防水性や撥水性は低いもの(商品により差があります)ですので、出来る限り軒は出した方が良いと思います。また外壁にコーキングを使用しませんので、コーキングの打ち換えが必要ないのことは、メンテナンス費用の削減につながると思います。

 

次にタイルですが、以前のタイルは湿式と呼ばれるモルタルの上に張り付ける工法が多かったのですが、現在の一般住宅では専用のサイディングの上に接着剤などで張り付ける乾式工法が主流になってきています。湿式工法の場合、職人の技量の差で施工不良による剥がれが出たり、タイルとタイルの間の目地が痛んで、目地の補修を必要とする場合などがあったのですが、乾式工法によりその点はずいぶん改良されていると思います。一番の欠点としてはコストが高い事でしょうか?あとは他の材料に比べて重量が重いので、地震の影響は?と言う所だと思います。

最後に無垢の木板です。外壁に木材を使うと本当に長持ちするのだろうか?このような疑問を持つ方も多くいらっしゃると思います。確かにウッドデッキなどはメンテナンスを怠って2~3年で腐ってしまったという話もよく聞いたりします。木材をダメにしてしまう原因の大きなひとつに腐朽菌と言う菌がいます。この腐朽菌は湿気が多く暖かい環境で増殖します。その為、ウッドデッキなどのように外部で木材を水平に使うと、そこに雨水が溜まり腐朽菌が増えてしまう事があります。その為、ウッドデッキでは床板に隙間を設け雨水が抜けやすくしたり、砂埃が溜まると水分が多くなるので、こまめに掃除をしたりと工夫が必要です。しかし壁に木材を使った場合は、雨にあたっても下に流れていきますので、水が溜まる心配はありません。次に外部の木材に塗装をした場合、塗装がなかなか長持ちしません。しかし木材の場合、塗装が剝がれてしまったからと言ってその木材が痛むという事はありません。でも見た目の問題もありますので、再塗装の費用を考えたくないと言う人は、木材自体のタンニンで木材を保護するウッドロングエコと言う商品もあります。しかし木材は天然の素材ですので、強い日差しや乾燥・収縮により割れや反りなどが出る場合もあります。この場合、痛んだところだけ交換しやすい押縁張りなどいいかもしれませんね。ここまで話しても『いや、外部の木材が長持ちするなんて信じられない』と言う人は、近所の古い板張りの神社などを思い浮かべてみて下さい。その神社は現在の窯業系サイディングの建物のように10~15年に一回塗り替えを行っていますか?きっと20年でも30年でも外壁はほったらかしの状態だと思いますよ。

 

(上の写真は築3年が経過したウッドロングエコで塗装した米杉板です。同じ建物の外壁ですが、日当たりや雨の当たり方の違いにより、風合いが違っています)

以上のような外壁材が一般的に使用される材料で耐久性が高い材料ではないでしょうか。そして上記で説明したようにどの材料でもメリットもあればデメリットもあります。またそれぞれの使用材料で外観はまったく違ってきます。

どんなに耐久性があってメンテナンス費用が掛からない材料でも自分が気に入らない材料は使用したくはないと思います。また上記の材料はすべて一般的な窯業系サイディングに比べ初期費用は高くなってしまいます。しかし10~15年毎に外壁塗装を行う事を考えれば、決して高いものではありません。

その為、イニシャルコストを抑える事だけでなく、ランニングコストを含めて自分にとって最適な外壁材を選んで頂ければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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