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ウッドショック

ウッドショック

現在住宅業界では深刻な木材不足が発生しており、その様相は『オイルショック』ならぬ『ウッドショック』と呼ばれています。

特に横架材と呼ばれるか梁などに使われる北米産の米松が不足しており、その影響で国産材の価格も値上がりしています。

この原因はコロナの影響で船による輸送が減便になってしまった事と、アメリカでの低金利・株高を背景にコロナの影響による都心から郊外への移動による住宅ブーム、また高値で木材を輸入している中国に木材が集まっているという原因があります。

弊社の場合、多くの木材を地元山口県の岩国産の木材を使用しておりますので、今のところ影響は少ない状況となっています。

この写真は先日上棟した建物の柱ですが、山口県の優良木材認定を受けている証のステッカーが付いています。

梁や桁などの横架材にも山口県産材の杉を使用しておりますので、認定ステッカーが貼ってあります。

ただ、横架材に外国産の米松を使用する事が一概に悪いとは言い切れない所もあります。それは日本は南北に長いため、地域によっては杉などの材料の質が悪く、柱には使えるが、より過重のかかる横架材には怖くて使えないと言う地域もあります。

そう考えると、昔から東大寺を再建するのに山口県の木材が使用されたり、天皇家の木材を育てる御領があったりした山口県が恵まれていると考えるべきなのでしょうね。

ただ、今までは国産の木材は安い外国産の木材に負けて、日本の林業は壊滅状態となっています。しかしここにきて、今まで国内の林業を蔑ろにしていたつけが回ってきた部分もあるのではないでしょうか?

最近、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉をよく聞くことがあると思います。建設業者では高気密・高断熱で省エネ性能の高い建物を建てることでCO2を削減しSDGsに貢献するという企業もありますが、例えば60年以上使われ続ける木造住宅を地元産の木材で建築すれば、その建物が建った時に植林された木が、二酸化炭素を吸収しながら成長し、60年後に建て替えられる時に成長した木材を使用するという循環が生まれます。この60年という年月は日本で杉などの木材が建材として使用する為に必要な年月です。

もちろん高性能で省エネな住宅を建てる事は大切な事だと思います。しかし高性能なだけでなく、やはり建てた人や住む人に長く愛され、世代を超えて使用されるデザインや耐久性なども非常に重要な所だと思います。

また豊かな山は豊かな川を作り、そして豊かな海を作り出します。この機会にもう一度日本の林業と地元産、国産の木材を改めて考える機会としてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

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