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『気密施工』S様邸新築工事

『気密施工』S様邸新築工事

先日上棟を行いましたS様邸ですが、現在は金物・雨仕舞などの瑕疵担保保険の検査も終了し順調に工事も進んでおります。

ただ、今年は梅雨入りが例年に比べ大幅に早まり天候のすぐれない日も多かった為、外部の体力面材への気密処理がなかなか出来ておりませんでした。そこで天候が回復した時を見計らい一気に外部の体力面材へ気密処理を行いました。呑気にしていたら透湿防水シートが貼られて、気密処理が出来なくなりますからね(*_*)

弊社場合は気密施工に関してはボード気密工法で考えておりますので、外壁の耐力面材の隙間にはテーピングを施します。また耐力面材にはツーバイフォーの住宅などでよく使われる構造合板は透湿性が低いため、壁内結露防止の為、透湿抵抗の低いダイライト、ハイベストウッド、モイスなどを使用する外壁材により使い分けています。

また屋根工事に関してもお施主様の希望・ご予算にもよりますが高い気密性能や勾配天井をご希望の場合、屋根パネルを使用し、気密パッキンと気密テープで気密処理を行います。

また床下の空気が壁内に侵入しないように、柱回りの気密処理やホールダウンアンカーの穴の等の処理も行います。

このような地道な作業を行う事により、高い気密性能を発揮するようになります。例えば、現在の建物は床工事をする時、昔のように根太を組まず、厚合板を貼る剛床工法が多く、昔の根太組工法のような隙間はありません。また外壁の耐力面材も打ち付けるだけとテープでしっかり気密処理をするのと、どれくらい差が出るのか?と言われれば、それは答えるのが難しと思います。でも、このような細かな気密処理をやった方がいいのか?やらない方がいいのか?と聞かれれば、やった方が確実に効果は出ます。

では、どうしてこのような気密処理を行わない業者も多いのでしょうか?

手間がかかる?やり方が分からない?知識不足?人手不足?気密処理は義務じゃない?法律で決められていない?そもそも軽量鉄骨のハウスメーカーでは気密施工が出来ない?

など様々な要因があると思います。一方で今年の4月から省エネ基準の適合説明義務化がスタートしています。建物の契約前に建築する建物が省エネ基準に適合しているか?また適合していない場合、どう改善すれば適合するのかを説明する義務があるというです。でも、この省エネ基準には気密に関する数値などは含まれていません。まあ、気密の項目を入れてしまえば、鉄骨系の大手ハウスメーカーは軒並みアウトになってしまうと思いますが(*_*)

きちんとした気密施工を行えば冷暖房の効率は上がりますし、壁内結露の防止にも役立ちます。もちろんこれは断熱材がきちんと施工されているのか?という事も含めてですが・・・

意外と発泡ウレタンの吹付断熱をただ行っただけでは、気密の数値が出ない事もありますからね。

建物の断熱・気密性能はどんな断熱材を使用しているかよりも、どのような考えで、どの断熱材を使用し、どのように施工しているのか?が一番重要なポイントになってきますので。

 

 

 

 

 

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