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棟上げ

3月14日(土) 広島県の大竹市で棟上げを行いました。
今回のお家は和風の平屋造り。最近は居住性や将来的にお子様が独立した時、2階部分の居室が使われなくなる等のお考えから、平屋での建築を希望されるお客様が多くいらっしゃいます。

弊社では通常は土台にはヒノキを使用し、柱はスギを使う事が多いのですが、今回はお施主様のご希望により、柱にもヒノキを使用しています。ヒノキを使っていると言うと、いかにも高級でお金がかかっているというイメージですが、現在は昔と比べ、ヒノキの価格がかなり下がっており、使用しやすい材料となっています。(昔からヒノキを使って建てた家を総檜の造り家などと言いますが、本当に家全体がヒノキを使って建てられていると思いますか?答えはNOです。ヒノキ自体が山で生えている時からスギなどの他の材料になる植物よりも細く、梁や桁に使えるほど太い材料が取れない為、総檜造りと言っても梁や桁にはスギが使われているのがほとんどです。)

また今回のお家は真壁造り(壁に柱が見える構造を”真壁”、逆に柱を壁で覆って見えなくする作り方を大壁と言います)の為、柱に傷を付けないよう慎重かつ迅速に組み上げていきます。

小屋梁には一部丸太張りを使用し、特にダイニングキッチンの天井は斜め天井になって丸太梁が表しになるため、化粧の丸太梁を使用しております。丸太梁を小屋梁に使用するメリットは木のサイズを最大限に生かし、頑丈に仕上げられることにあります。しかし、一般的なハウスメーカーでは、ほとんどこの様な丸太梁を見ることはありません。なぜなら、丸太梁は”プレカット”する事が出来ないからです。ご存じの方も多いとは思いますが、現在木造住宅を建築する場合、事前に工場で柱、梁などを加工する”プレカット”を行います。プレカットする事により、工期や費用を低く抑えたり、加工の精度にバラつきが出ないなど、メリットも多々あります。その為、利益のみを追求しているハウスメーカーなどは、昔ながらの大工さんの手加工を必要とする丸太梁などは使用しないのでしょう。その様な現状のため、現在ではこのような丸太梁を手刻み出来る大工さんも少なくなってきています。神社や仏閣の宮大工だけでなく、こういう細かな日本の伝統技術も、次の世代に残していきたいものですね。

やはり平屋の場合、2階建ての建物に比べ、単純に考えて2倍近い屋根の面積があるため、棟上げにも時間がかかります。また弊社の自由設計の建物自体、ハウスメーカーの大量生産品の建物と違い、一つ一つ土地に合わせ、お施主のご要望を聞き、一からプランを練り上げている建物ですので、一つとして同じ建物は無いため、確認しながら組み上げていくのも時間がかかる要因の一つかもしれません。この日も夕方目いっぱいまで時間がかかり、なんとか養生をすることが出来ました。

これから数か月間工事が続きます。特に弊社の場合、昔のようにほぼ一人の大工さんが、責任をもってお家を作り上げていきます。その分、工期が延びてしまいお施主様にはご迷惑をかけてしまうのですが、、必ず、良い建物が出来上がりますので、よろしくお願い致します。

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