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『筋交いと金物と耐力面材』 四十路工務店営業マン(本厄)の自宅建築日記 その⑫ 

なかなか忙しく、実際の工事にブログが追い付いていませんが、前回の棟上げの続きを書いていきたいと思います。

 

棟上げの翌日からしばらく雨が続いた為(今年の春は雨が多いですねぇ( ノД`)シクシク…)まずは、内部の筋交いを入れていきます。

写真のようにX状に入っている筋交いを両筋交い、/又は\上に入っている筋交いを方筋交いと言います。

この筋交い、当然、方筋交いより両筋交いの方が、耐力壁の強さを表す壁倍率の高さは高いです。しかし、その他にも重要な事はあります。まず、基本中の基本、隙間なくキチッと納まっているか。この点は最近は筋交いの部材も先に工場でプレカットされていますので、高い精度でキチンと納まっている事が多いです。そしてキチンとした金物を使用しているか。

壁倍率ばかりが高くても、それに見合った金物が使用されていなければ意味がありません。

また、使用する筋交いの太さによっても壁倍率は変わってきます。そして最も重要なのが、筋交いがバランスよく配置されているか。どんなに壁量が足りていても、耐力壁が片側に偏っていた場合など、逆に耐力壁の無い部分に負荷がかかり崩れてしまいます。

その他にも方筋交いの向きや、1階部分と2階部分の方筋交いの方向など、色々と細かい注意点があります。しかし、そこは建物の耐力に大きく関わってきますので、非常に重要な所です。ただ入っていれば良いというものでは、ありません!!

次に外壁部分ですが、この建物では外壁に耐力面材を使用したパネル工法としました。

このパネル工法ですが、従来の在来木造軸組み工法とツーバイフォー工法の中間的な存在でしょうか?在来工法の可変性(増改築のしやすさ)とツーバイフォーの強度を合わせた構造。逆に言えば、在来方法より少し可変性が低く、ツーバイフォーより、少し強度が低いとも言えます。でも、その辺りは、設計プランと構造の組み方で、どうにでもなるので、あまり関係ないですね。どの工法にもメリットもデメリットもあります。100%完璧な工法など存在しません。

では、なぜパネル工法を選んだのか。それは、この外壁部のパネルで気密を取るボード気密法を採用したからです。この辺りは、また後日書いていきましょう。

そして、この写真は今回外壁パネルに採用したモイスと言う耐力面材です。この耐力面材にも色々と種類があります。一般的にツーバイフォーなどでは、構造用合板なども木質系の面材が使用されます。もちろんパネル工法でも使われるのですが、この構造用合板などは、薄い木材を繊維方向を互い違いに接着剤を付けて圧着している物なのですが、接着剤を使用している為、透湿性能が高くありません。つまり、壁内にもし水蒸気が侵入した場合、なかなか出ていかないと言う事です。まあ、室内側により透湿抵抗の高い防湿シートなどを貼れば、問題ないらしいですが。耐力面材として他には、このモイスのように無機質系で透湿抵抗の低いものがあります。では、なぜ他の無機質系面材ではなく、モイスを選んだのか?それはモイスには『ねばり』があるからです。他の無機質系耐力面材では、材料自体にねばりが無く、割れてしまうものがあります。それは地震の時もそうでしょうし、酷い場合は現場で打ち付けている釘の周辺が割れている場合もあります。

と言う事で、今回は『透湿抵抗』の問題と『ねばり』の問題から、面材はモイスを採用する事にしました。しかし、このモイスにも問題があります。まず、一つはコストが高い。もう一つは、重量が重い。材料自体のコストが高い上、一枚が30㎏くらいあるので、大工さん一人では貼る事が出来ない為、工費もかかると言うダブルパンチです(´;ω;`)ウッ…しかし、ここは建物の耐久力と壁内結露に大きく関わってくる所なので、モイスを採用しました。なんか、価格が安くて、透湿抵抗が低くて、ねばり強くて、軽い耐力面材が出て来ないですかねぇ~((+_+))

それでは次回に続きます。

 

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