2025/07/13
断熱材とは?家づくりで失敗...
近年、若い世代からシニア世代まで幅広く人気を集めているのが「平屋住宅」です。バリアフリーで移動が楽、生活動線がシンプル、メンテナンスもしやすい…といった数多くのメリットがあり、戸建て住宅の新築市場でも注目を集めています。
しかし、平屋には「すべての生活空間が1階に集約されている」という特徴があるため、近年増加している台風や豪雨による浸水被害に対しては、より慎重な備えが必要です。特にこれから夏にかけては、集中豪雨や台風のシーズン。今回は、人気の平屋住宅を安心して暮らすために知っておきたい「浸水対策」について、工務店の視点からお伝えします。
平屋の大きな特徴は「ワンフロア」です。すべての部屋、キッチン、バスルーム、寝室、収納が1階にあります。そのため、大雨による浸水が発生した場合、生活空間全体が直接被害を受けるリスクがあるのです。
また、災害時に2階へ避難する手段がないこともあり、水位が高くなった場合はすぐに外部への避難が必要になるケースもあります。そのため、事前の立地選び・設備・構造の工夫がとても重要です。
通常よりも基礎を高く設計することで、地面からの床高を確保し、浸水のリスクを軽減する方法です。一般的な住宅の床高は地面から40〜50cm程度ですが、水害リスクが高い地域では60〜80cm以上の高基礎を採用することもあります。
敷地周辺の水はけの良さも非常に重要です。排水桝や雨水マスの設置・メンテナンス、敷地の傾斜設計(道路側に自然と水が流れるようにする)など、建物周辺に水がたまりにくい環境をつくることが大切です。アプローチや駐車場の透水性舗装も有効です。
近年では、水の侵入を防ぐ「止水板(防水板)」や、逆流を防ぐ「止水弁付きの排水口」など、住宅設備も進化しています。特に玄関や勝手口には脱着式の止水板を設置することで、短時間の浸水被害にも対応可能です。
浸水時に最も危険なのが電気設備です。ブレーカーやコンセント、給湯器の制御盤などを床よりも高い位置に設置することで、安全性を確保できます。電気自動車用の充電設備(EVコンセント)も浸水エリアでは設置場所に注意が必要です。
そもそも建築予定地が浸水リスクのある地域かどうかを市町村のハザードマップで確認することは、家づくりの第一歩です。100年に1度の豪雨に対応した区域外であっても、近年の気候変動では“想定外”の被害が相次いでいます。土地選びは慎重に行いましょう。
「平屋=水害に弱い」と一概には言えません。むしろ、設計の工夫と最新の防災技術を取り入れることで、災害に強い平屋を実現することは十分可能です。
たとえば、
高基礎+止水板+排水設計で浸水を防ぐ
屋根・外壁の耐風設計で台風にも対応
家電や家具の配置を見直し、万一に備える
など、あらかじめ備えることで「もしもの時に家族を守る家」に変わります。
平屋は、これからの高齢化社会やシンプルライフ志向の中で、ますます注目される住宅スタイルです。しかし、その快適さの裏で、浸水や水害リスクへの対策は不可欠です。
私たち工務店では、防災性能を高めた平屋の設計・建築や、既存住宅への浸水対策リフォームにも対応しています。土地選びから設計段階のご相談まで、地域密着の知識を活かして丁寧にサポートいたします。
「水害に強い、安心の平屋を建てたい」
そんな方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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